伊藤貫「自滅するアメリカ帝国」③
文春で米戦略国際問題研究所(CSIS)上級顧問で、政治学者のエドワード・ルトワックにインタビューした動画を見る。ルトワックによれば:
少子化により、ポスト・ヒロイック現象が起きる。米中ロ3国はいずれもポストヒロイック。(=指導者が自国の兵士が死ぬのを極端に恐れること。つまり、この3国において数十名の戦死者を出すと、指導者の地位が危うくなると指導者は信じている)一人っ子政策の余波が残っている中国では兵士になるような年頃の男子は各家庭に平均1人以下だ。そんな貴重な男の子を失わせることはできない。ウクライナ戦争でもロシアは正規の兵士は前線には送っていない。外国からの傭兵が多い。
イラン戦争について言うと、イランは宗教的に死ぬことを恐れない。むしろ死ねば天国に行けると信じる。(こんな国に核を持たせるのは危なすぎる)イスラエルは子供が多いから兵士が死んでも大きな問題にならない。イスラエルでは不妊治療が無料なので、少子化を予防している。イスラエルもポストヒロイックではない。
日本も是非不妊治療を無料化をすべきだ。ついで育児も無料化すべきだ。老人に金を使うのは、死に金を使うということで、将来(の納税者)に金を使ってないということ。自衛隊はポストヒロイックではない。戦争はともかく、地震や洪水のとき、自分の命を危険にさらして被害者を救命する。
CIAは1947年に、国務省がやっていた汚い仕事をやらせるための部署として発足したが、間違いばかりし続けている。これはCIAの職員が外国に興味を持たず、外国語ができない者ばかりだからだ。ビンラディンの居所を探るのにアラビア語ができるCIA職員はいなかった。CIAの職員はバージニアのオフィスから出たがらないし、外国にも滅多に行かない。ビン・ラディンは、オフィスで衛星写真を眺めても見つかるような人ではなかった。彼のしゃべる声を聞いて居場所を推測するしかなかった。CIAはビンラディンを見つけるのに失敗し、9.11が起きた。
インテリジェンス組織の職員には適正テストをし、そのテストに合格した者のみを本採用して本格的なトレーニングを施すこと。その適正テストとは、外国人とのコミュニケーション能力があるかどうかだ。自分のスマホを持たずに外国に行って指定された風景を写真に撮ってそれを指定されたアドレスにEメイルできるかどうか?とか、外国でバスに乗ってそのバスの運転手を説得してバスが本来通るべき道を少し外れた道を走らせ、あらかじめ指定された場所にバスを到着させることができるか、といったテストだ。いくら語学ができてもこういうコミュニケーション技術がなければインテリジェンスの仕事はできない。
証券取引所で国際的で大規模な株のインサイダー取引に気づいたのは密告の電話に出た受付係の女性だった。彼女がかかって来たスペインなまりの強い英語を聞いてピンときて専門の担当者につないだのだ。
台湾有事は起こらない。習近平は脅かすだけで戦争はできない。
日本の防衛にとって大事なのは台湾だけでなく、朝鮮半島も大事だ。韓国が北朝鮮(中国)にやられ、アメリカが何もしなければ、それを見た韓国はもちろん、日本だって核兵器を持つことを考えざるを得ない。台湾有事でもアメリカが何もしなければ、同様に、日韓は核兵器を持つことを考えざるを得ない。また日韓のうちとちらかが核兵器を持てば片一方も持つだろう。日本にとってベストなのは現状維持(朝鮮半島でも台湾でも何も起きない)だ。
>>台湾有事は起こらない。習近平は脅かすだけで戦争はできない。を信じるか?これを信じるなら日本はアメリカ様の妾でいて核兵器も自前で持つ必要はない。はたまたこの論法は、日本に核兵器を持たせない(=独立させない)というアメリカのグランド・ストラテジーと見るか???こりゃあ考えたってわかりゃあしない。
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